桜

 学力テストは問題です


今年も学力テストが実施されました。60億円を使ってです。大阪ではこのテスト結果を高校進学の資料にするとか。

私は38年間中学校で教師をし、その後13年間、自称「寺子屋」を開いて一人ひとりの子供たちに学習を援助している者です。今も中学1年生の男子が雨の中をやってきて、熱心に学習して元気に帰りました。7月に来始めた時は声も小さく自分からは話しかけてこない生徒でした。中学2年生の女子も9月から来ています。不登校児ですが、寺子屋には欠かさず来て、楽しく学習をしています。私は特別なことはしていません。

その子どものわからなくなったところから丁寧にわかるまで教えているだけです。「かわらいないことがわかるようになる」「知らなかったことを知ることが出来た」ということは子供たちにとって大きな感動なのです。その感動を体験した子供たちは自ら進んで学習に取り組むようになります。

生徒の親御さんが共通に仰ることは「寺子屋に行くのをとても楽しみにしている。寺子屋でのことは詳しく話してくれる。」ということばです。まさに唐沢氏の「何が子供のためになるか」の解答を具体的に子供たちが大人たちに教えているのではないでしょうか。

昨今競争心を育てることが必要だと言う視点が強調され、点数でしか子供や学校を評価しない傾向が強まっています。全国学力テストの結果の公表はその傾向に拍車をかけることになります。現職の教師の中には、「年々多忙化に拍車がかかる教育現場で懸命に子供たちのために頑張っているのに、給料を下げられ、落胆しているところに最下位問題で攻撃を受け、さらにテスト対策までやらされるなんて」という怒りの声があります。「学力テストの点数を上げるのは簡単だよ、練習させればいいんだから」との声もあります。

学校で子供たちと日々向き合っている教師たちはどの子もわかるように教えたい、子どもに寄り添った教育をしたいと願っているのですがその時間的余裕が余りにもなさ過ぎるのが現実です。その上テスト対策までが押しかかってくるのでは教師の健康まで脅かされてしまいます。

学力テスト結果の公表を点数の低い生徒は「嫌だなあ、いじめられそう」とつぶやいていました。学校嫌いの子供たちが増えていきます。そんな弊害だけの学力テストは即中止すべきです。教育委員会は過去の侵略戦争に教育が加担させられた反省から、政治の中立の確保の為に設立されたものです。教育委員会はその原点に戻り、政治介入の動きに対峙してほしいと思います。

教育に大切なのは教える者と子供たちとの信頼関係と、自由でのびのびした教育環境です。その環境づくりの為に国民と教師と行政が尽力することが子供たちの将来を保障することになると思います。

枝村 泰代











copyright (C) 2002-2009 All rights reserved terakoya edasan